鉄瓶の取扱いについて

●慣らしと毎日の取扱いについて

鉄瓶は、薬缶やケトルとは扱い方が異なります。

といっても難しいことはございません。

 

1)最初に数回、水を8分目まで満たして「弱火」でお湯を沸かしては捨てる→内部のホコリを取り漆臭を飛ばすためにやります。お湯が無色透明になれば飲んでも大丈夫。

少なくとも2回はやってみてください。

 

注:①吹きこぼれが怖いので、蓋をずらしてください。②IHも「弱火」で。③使い始めの頃が錆びやすいので、最初の2~3ヶ月は出来るだけ毎日沸騰させて使ってください。

 

3)水を入れっぱなしにしないこと。

お湯が沸いたらポットへ移し、鉄瓶の蓋を外しておけば温度で乾燥します。

湯冷ましした時は、空焚き20秒ほどで様子を見ながら乾燥させてください。

 

4)鉄瓶の内側は、錆びにくくするために、強制酸化させております。内側は、絶対洗わないこと。擦らないこと。柔らかい棕櫚たわしでも擦るのはダメです。外側も、熱いうちに固く絞った濡れ布巾で拭くイメージで、洗剤を使ったりしないこと、擦らない。

 

注:薬缶のように麦茶を煮出すのはNG。お湯を沸かすことのみにお使いください。 


5)使わない鉄瓶は、湿気が錆の元になりますから、紙に包んで風通しのよいところにしまってください。使う時に、また数回お湯を沸かして捨てて、慣らしもどきをやってください。

 

 

●錆びてしまった時は

鉄気臭くて明らかにおかしいとなった時は、不織布バッグにお茶っ葉を入れて、数時間弱火で煮てください。(空焚きしないようにお湯の量に気をつけて)お茶のタンニンと鉄分が反応して黒っぽい水色になります。これが鉄漿、江戸時代のお歯黒の元。この水は捨てずに1日放置。翌日、数回沸かして捨てて、お湯が透明になったらもう大丈夫。

 

 

●経年変化でどうなるのか

初めて使う方は、鉄肌がどんな風に変化していくのかを見たことがありませんから、湯垢がついてきたり、外側に焼き付けられている漆が焼けて色が変わってきたりすると「もしかすると錆?何か異常が怒っているのかな?」と、判断に悩むことがあるかと思いますが、お湯の味が美味しければ、景色が変わっても、正常な変化なのだと思って間違いはないと思います。

画像は蓋の裏側ですが、部分的に茶色くなっていたり、ちょっと白っぽい部分があるのが分かりますでしょうか?

茶色くなると錆を疑いますが、自然と部分的に茶色い斑点が出てくるものです。そして3ヶ月も使っていると湯垢もついてくるので、内側は特に白っぽくなってきます。でも、この湯垢がついてくるとお湯は更に美味しくまろやかになります。