またNHK-BSでイッピンの再放送でもあったのか、『枯れ葉のお皿』のHP閲覧数や電話問合せが増えております。先日は、5枚まとめて山口県へお嫁入り。
うちの漆器は津軽塗・木村正人さんに塗ってもらっておりますが、この『葉っぱシリーズ』を置いているのは、都内では当店ぐらいじゃなかろうかと思います。
生地は紙。竹の繊維が混ざっている紙で形を取り、そこに和紙を重ねて成形。だから、こんなに薄手。
薄いけれど、漆をたっぷり吸い込んで、しっかり硬化しているのでとても丈夫。贅沢なひと品。
漆器はバンバン売れるものではないから、そこに「こだわって」いるのは事業的に得策ではないのですが、だからといって絶対売れるものが分かる訳でもありませんしで…結果、自分がいいと思うものを扱うという事を「こだわり」と言い替えているとも言えます(苦笑)
でも、テレビで放映されると、短い時間でたくさんの方の目に触れて、欲しいと思われる方から問合せが入ってくる訳で、品物の魅力は十分あるのですよね。
明日からNHK-BS並みの発信力を手に入れたい、と思ってもなれる訳もなく、亀の歩みでも、身の丈の広報活動を続けるしかないのですなあ、、、
たまにこういう事を考えて、果てしない気分になりますよ、個人商店(寒い日は特に物思いしちゃうの、苦笑
ところで、先日読んだインタビュー記事。
字幕翻訳の戸田奈津子さんは、20年鳴かず飛ばずだったとか。20年目の正直で『地獄の黙示録』に出会い、大ヒットし、仕事の依頼が増え、実績が積み重なり、今に至ったそうです。
鳴かず飛ばずの20年間、それしかやりたいことが無いから諦めることも浮かばず、次こそはと20年。そんな内容でした。20年掛かっても、思った通りの結果が得られた戸田奈津子さんは、自分の翻訳家人生を振り返って後悔はしていない訳です。
もうひとつ。
「果てしない気分」は、持ち続けるのは苦しいが、忘れてしまえば叶えることも忘れそうです。だとすれば、苦しさみたいなものも、心の片隅に置いておくことが大事なのでしょうね…(生きることは、楽だけじゃないですなあ、、、)
現代は寿命が延びて100歳も夢じゃないとか。
いま50の私はあと50年掛けて、どんなことを叶えていけるだろうか。そんなロングスパンで人生を過ごせば、いま果てしなく感じていることも、なんてことなくなる日がやってくるかもしれませんね(だといいな)
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漆という素材も、100年掛けて徐々に強度を増し、そこから段々強度が落ちていく素材なんだとか。大事に使えば一生モノと言われる由来のひとつ。
お気に入りの漆器を見つけて、どうぞ使ってみてください。
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