鉄分補給の誤解

大学で一人暮らしを始めて以来、自炊生活。

お金が無い頃は安いものを使うし、使って馴染めばそれでもいいかとなり、ステンレス、アルミ、ホーロー鍋、テフロンフライパンなど、様々な金属調理器具を使ってきた後に、南部鉄器(鋳物)の重たい鍋に落ち着きました。

煮るなら土鍋がおすすめですが、それ以外なら鉄鍋が最高。私が作る料理は大して凝ったものはありません。焼いたり、炒めたりするぐらいですが、その調理方法には鉄鍋が最高に合っていると感じております。

 

チキンソテーは皮がパリパリでお肉ジューシー。

餃子も手間なしで上手に焼けるようになりました。

野菜を蒸し焼きにすると、甘みが増す気がします。

焦げないから手入れも楽ちん。

 

使わないと分からないのが歯がゆいのですが、お料理は道具も大事だなと思うので、若い方にはぜひ、色柄やブランドではなくて「素材特性も見ながら」調理器具を選んでいただきたいなと思います。金属もそれぞれ違いはありますからね。


あと、金属製品は長持ちしますから、買う時にちょっと高く感じても、絶対元手が取れると思います。毎日使うものは、高くても買って良しという判断は、50歳のわたくし的には真実と思いますよ。

 

ところで、鉄瓶や鉄鍋の売り文句で「鉄分補給」が出ますよね。私自身も、そういう説明をしたことがあります。鉄瓶で沸かしたお湯には「二価鉄」が含まれており、「二価鉄は吸収率がいい」「体内に取り込まれる」と読んだことがありまして、体に必要な鉄にも種類があるんだなと思っておりました。

そう言えば、薄い知識しか無いなと思い出して、読んでみたこちらの本。
思い込みや勘違いを随分解消できました。

以下、読書メモ。

●酸素は生き物には毒。その酸素を使うことで従来嫌気性呼吸の20倍のエネルギーを生み出せるようになり、進化が進む。海水内の鉄は酸素と反応し、鉄がほぼ含まれなくなった頃、地上にある鉄を取り込むために植物が地上へ進出。食物連鎖も、鉄を取り込む目的とも言える。植物を食べて取り込む、植物を食べた動物を食べて取り込む…

 

●体内の鉄の量はパチンコ玉1個より小さい。

●鉄は他のミネラルと異なり、過剰摂取されることがない。体内で循環しリサイクルされる率が高く、余分がほとんど出ない。

 

●鉄が吸収される流れ:十二指腸粘膜上皮細胞の表面から吸収される。肝臓からの指示により吸収されるが、不足が無いと肝臓からの指示は出ないので、1~3日で上皮細胞は剥離して鉄も一緒に便として排泄される=不要な鉄は吸収されない

●三価鉄はビタミンC や酵素により二価鉄に変化して後、体内へ吸収。三価鉄では取り込めない。二価鉄は「毒性が高い」ので、取り込まれると細胞表面で酸化され三価鉄になる。

 

●鉄瓶でお湯を沸かして取れる鉄は微量。溶出量と吸収率を考えると、1日に500杯飲まなければ必要量に達しない。鉄分補給よりカルキ飛ばしや味のまろやかさのために使うのが正解。


●鉄不足の時は、植物性の鉄分の方が吸収率が高くなるので、レバーより葉物。

●ひじきやプルーンなど鉄分を多く含むと言われる食べ物があるが、含有量が多くても吸収されるかどうかは別で、実はあまり役に立たない。ひじきは無機ヒ素(毒性あり)を含むので注意。

 

●ビタミンCと一緒にとると吸収率が上がる。逆に、リン酸塩(卵、牛乳、チーズなど)シュウ酸塩(ほうれん草)タンニン酸(茶葉など)、食物繊維、ポリフェノール類は吸収を阻害するので、鉄不足の時には一緒にとらない方がいい


●玄米の「フィチン酸塩」と巷で玄米は体に良くないと言われる時の「フィチン酸」は別物。日本では混同されているが別物。フィチン酸にミネラルがくっついたものがフィチン酸塩。穀類を摂取してとれるミネラルはフィチン酸塩のミネラルを指す。フィチン酸塩のミネラルが体内に吸収されると、フィチン酸塩は足りないミネラルを補うために、体内にある余りミネラルや有害ミネラルをくっつけて排泄。(ただし玄米にもヒ素やカドミニウムを含むものがあるのでチェックは必要)

 

 

 

●鉄鍋で酢をちょっと使って調味した方が溶出量増える(酢0.1%水溶液で溶出量千倍以上の報告あり