「有名人になる」ということ

勝間和代さんの名前はよく聞いておりましたが、本を読んだことが無かったように思い、選んで読んだ一冊。

 

本当なら、ビジネス書の方が彼女の本分なのでしょうけれど、この本、なかなか面白い本でした。勝間さんがお友達だったら、ぶっちゃけトークが楽しいんだろうなと、彼女の人柄に好意を感じるほど。

 

今どきな、SNSのおかげで、ある範囲での有名人になるのは簡単になったと感じます。わたくしでさえ、江古田で道を歩けば「あ、環さん」と声を掛けられたり、挨拶しあったりの毎日です。

 

それで何が起こるではありませんが、私は人に知られることで、プライバシーがどうのとか、生き辛いことは皆無で、人とのふれあいが増えるのでいい事づくめな印象。

 

彼女の場合、ある目的があり、その実現のために、なろうと決めて有名人になるように行動した、と冒頭にあり、ものすごく気になるイントロ。

 

なりたくて成った有名人だけれど、出来るから好きだからとは程遠いのに頑張ったともあり、話の展開に惹き込まれます。

 

私は、店頭セールの時に、じゃんけんに勝ったら更に割引、なんて遊びをやることがあります。じゃんけんは、確率の勉強の時に例題として解いた経験上、無理のない予測が出来る範疇の遊びなので、お商売でも怖がらず割引を設定できます。

勝間さんがも確率論を前提に思考するのですが、私とは大違い。

私のじゃんけんは「2人+1回+3通りの勝ち方」という単純組合せ。

勝間さんは「確率5%の勝負を繰り返し50回やって全部負ける確率は7.7%。100回で0.6%」繰り返すことでリスクが減る前提で、「1回やってダメなら終わり」なんて前提にしていない。彼女は、達成するためのルート検索をしているのです。

 

「剣筋を見極められたら、かすめたとしても当たらないと分かれば怖くはない」というような言葉が浮かびました。人の生き方も似たところがあり、闇雲に怖がっていては何も出来ないし、見るべきものが見えていなければ自分で刃に当たりにいく愚行も犯しそう。


見るべきもの、知るべきものは何か、それを考える力と情報収集する力が必要。確率の計算もこういう場面で使うと思えば、高校の時にもっと極めたのになと後悔(今からでも遅くないですね。

なろうと思って取った施策も紹介されております。
やはりゼロからいきなり注目されることは稀有で、自分が積み重ねてきたコンテンツがあり、それが魅力的で、そこに目を留めた方から引き合いが来て、知り合った人脈が広がり、引き合いが増えていく、という連鎖が広がる末に、有名人になったことが書かれていました。

サラリーマンの方なら、偉くなれば権限が増え、接する情報の質が変わりますよね。それと同じことで、有名になれば、誘蛾灯に集まる虫のように、いろんな質のヒト・モノ・カネがやってきます。自分の有名度が上がると、質の高いヒト・モノ・カネがやってくるので、相手の質に応えられる自分も必要になってくるので、常に自分磨きも必要。

勝間さんでも、そこに至るまで10年掛かっているなと振り返っており、その10年には、有名人になるつもりがなかった時代のコンテンツの積み重ねも含まれており、経験はすべて自分のためになるから諦めないで頑張りなさい!とエールをもらった気分。

環は、小売やバイヤー未経験の店主が、脱サラで40過ぎてから始めた雑貨屋です。本当は、漆器専門店をやりたかったけれど、それで食べていくには、かなり難しい商材なもので、伝統工芸と和雑貨屋を扱う店にいたしました。正直、漆器は全体売り上げからすると、切ってしまっていいぐらいの動きです。

勝間さんの本を読んで、気付きがあったのですが、私は漆器を売りたいのは、お金儲けの前に、漆器を使う心地良さを知って欲しかったということを、日々の営業で伝えられているだろうかと疑問が生じました。伝統工芸全般、雑貨も含めて、商品紹介はスペック紹介と感想文になってる。これは、他の人と同じことをしているだけで、環らしさはそこには無い。差別化が、全く出来ていないじゃないか!と愕然といたしました。


ルーチンの量をこなすことは出来るようになったのは、頑張った自分のおかげ。気づいたからには、明日から試行錯誤はじめよう!と、白い紙を前に、思考整理の乱れ書きスタートです。

これをやると、雑念も全部書き出して取捨選択するので、気持ちがスッキリします。思いつくまま、関係無いことも全部書き出します。まだやったことが無い方、ぜひ試してみて下さい。

 

勝間さんの薄い本のおかげで凄い気付きがもらえました。

勝間さん、ありがとうございます。