愛の刷り込み

友達の子どもが、「玉ねぎを切る時に涙が出ないゴーグル」をプレゼントしてくれました。ハイクオリティ。

 

玉ねぎを切る時に、涙が出ることを知る。

涙が出る時は、ツンとして痛いことを知る。

痛みを断つには、多分これが有効かと推察し、

実際手を動かし作ってみる。

 

ミーちゃん的には完成品。

店主の目から見ても、とても素敵なアイテムに見えます。

 

こんな風に、1を知ることで、

10にも、100にも膨らませることができるのが人の創造性。

 

久し振りに会った友人との会話に、「移動する部下が可哀想」という話題が出ました。

移動で自分の下からいなくなる部下が、

移動先で請け負う仕事は難しい上に量もあるということで、

友人としては「問題が起きないように」

と先回りして、移動先の上司と相談しているが、

方針の違いがあり、バトルっている。というようなストーリー。

 

サラリーマンの頃は、上司が上にいる身分のうちは弱者感覚があり、

かばってくれる、守ってくれると「いい上司だな」と思ったし、

それが上司のあるべき姿だと思っておりました。

 

雇われている下っ端の理屈。果たして、会社全体としては、

それが良いのかは別だったなと、今になれば思います。

経営者の理屈が、腹落ちして分かるようになったから。by 弱小個人事業主。

 

友人は非常に人情家ですが、この件に関しては、

事業運営の成功(トラブルを無くす)を主とし、

その下位要件として、具体的にアサインされる人材のことを

考えているので、「部下が可哀想」と口に出しながら

甘い感情移入はしていないと感じましたから、

「この人は立派な管理職やってるじゃん」とかっこよく感じました。

 

そして、最後に自信なさげなひとこと。

 

 「苦労するのが見えているんだけど、

あんな風になってしまったのは、

私のやり方を是として育ててきたせい」

 

 

最初の上司から得た情報がベースとなり

先々出会う仕事で、また違う価値観を受け入れ、

矛盾を感じる時に、

ようやく自分で判断する場面がやってくる。

 

比較の先に、自分にとっての真実が見つかるルートも存在します。

時間が山ほど掛かって、端緒が何だったか記憶の果てとなり、

でも最後に「これでいい」と感じるような、そういうこともある。

 

だから、愛を持って刷り込んだもの、刷り込まれたものは、

剥がれ落ちる日が来ても、悪いものではないと

私は信じております。

 

「その子にとって、最初の基準を入れてあげたんだから

あなたはよくやったと思うよ。」素直な気持ちです。


上司と部下だけでなく、親と子、自と他、

いろんな関わりに言えることではないでしょうか?

私も、元上司との摩擦の中で、自分で考えて行動するうちに

上司が何を考えていたのか、自分の選択肢として理解できるようになり

上司の苦悩が身近になり、上司の頑張りが見えるようになり。

 

「あの野郎!」と思っていた時がウソのように、

今では愛しかございません(笑

 

友人の部下が、そのことに気がつくのは「いつのことやら不明」ですが、

「出会う人全て、縁がある」「全ての出会いには意味がある」

というのはそういう時間感覚で言われる表現なのだと思います。

 

店主、今年50歳になりますが、ようやく自分の真実がひとつふたつと

見え始めてきたお年頃。

若者よ、つまり、どんなに目障りな上司や先輩がいたとしても、

その方がいることで、あなたが学ぶことはある訳で、

感謝出来ない間は「あの野郎!」でOKですよ。

 

(いつか、感謝出来る日が、やって来ますように 黒笑)