和晒の魅力

手元に、某ペットボトル飲料のノベルティでもらった、洋晒の綿に和柄をプリントした「手ぬぐい」があるのですが、固くて水を吸わないもので、折敷代わりに使っています。

 

バラマキ用のおまけですから、こんなものなんでしょうけど、これを使って「手ぬぐいってハンカチより水吸わないしゴワゴワするから感じ悪い」なんて誤解する人が増産されてしまったんじゃなかろうかと妄想。

 

本当の手ぬぐいは、柔らかい肌触りで、水をよく吸います。本当の、とつい使ってしまいましたが、手ぬぐいの本当ではなくて、手ぬぐいに使われている晒(さらし)のこと。

ふと、晒という言葉は知っているけれど、実は曖昧な知識しかないなと思い浮かんだわたくし。大人になると、忘れるということもありますが、生活に直接関わりがないと、結構曖昧なままでも暮らせてしまうのですよね。


ちょっと調べてみました。


晒は綿布の製造工程の一つで、紡績後に糊や不純物に加え、綿という素材が持っているにおいや色を除去する工程。具体的には、綿布を釜で煮るという工程になります。(~48時間)

前述の晒は、和晒。
もうひとつ、洋晒もあります。
こちらは機械的な加工で、布を張りながら熱を加えたり、塩素系漂白剤で漂白する方法で、加工時間40~80分とか。

 

製造の効率と生産能力UPのために発達したのが洋晒という方法です。

洋晒の生地は、工程で熱や張力が加わるため、繊維が変形し、固い感触だったり、表面がさらさらと滑るような仕上がりになり、薄地でもしっかりした手触りの綿生地になります。

一方、釜で茹でるだけの和晒は繊維の変形もなく、例えるなら、より綿(わた)に近い仕上がりになりますから、手触りの柔らかい、水をよく吸う綿生地になります。

小さい頃から、手芸店で売っている綿生地と、浴衣の綿生地は、何か違うと思っていたのですが、ようやく腑に落ちました。

和と洋、私はどちらがいいとは言いません。出来上がったものの特徴に合わせて使い分ければいいこと。

でも、手ぬぐいは和晒がいいですね。