意味も価値も、私の中に~トップガン・マーヴェリック

ウミウシみたいなペーパーウェイト。オイルライフさんが何かの時にお福分けしてくれたお品。

 

たくさんある中から「好きなのを選んでいいよ」と言われて選んだきれい色。色合いやテクスチャーが気に入って、かれこれ5年はレジ台の片隅に飾っているかと。明るい海を想起させる色。

 

仕入れの時は仕事目線になり、素材や作りを見たり、用途に対するデザインを考えてり理屈っぽくなりがちですが、こういう時は直感で「好き」を選べるし、好きを確信できた時に喜びを感じます。

 

自分の感性に馴染む感覚は、スピード感と共に自分の中にストンと落ちて来る感覚。

 

7月頭、映画「トップガンマーヴェリック」を見たのですが、ここ10年間で一番気分が高揚し、楽しかったわたくし。

 

深く思い悩むような内容はなく、人によってはどんなご都合主義な内容だよとむかつくかもしれません。そのぐらい単純ストレートな物語の流れ方。

 

私の解釈では、あの映画は「死に際の走馬灯」の一場面を切り取ったような、枝葉を捨てた幹だけのような映画。人生の岐路で、何を選択したのか、何を成し得たのかを確認するような感じ。だから単純でご都合主義な設定でもいいの、いいの。

 

マーベリックは頭では分かっていても、思わず体が動いて助けてしまう系。なろう系なら、車道に飛び出した子供を助けようとして、トラックにひかれて転生決定ですよ。でもそういうところ、日本人的感性だと好ましい。

 

計算できない人だなと思いつつ、自分の愛や信念のために、高速でまっしぐら行動するマーベリックに、羨ましさを感じました。

あんな風に、愛と勇気、信念を持って自分の命を燃やす。

 

現実にはそう格好いい事は出来ないだろうけど、死ぬ時には「まあまあ頑張ったな、後悔は無い」と思える程度にはなりたいなと。自分の人生にもっと「我武者羅」に「なってみたい」「そうありたい」熱意みたいなものを思い出せた映画。

 

まだ出来る、まだいける!と西川貴教的なテンションで高揚した気分で帰宅です。

 

ちなみに、岡田斗司夫氏が「映画に中身は必要か」という動画をあげていましたが、わたくしのように、見る側があれこれ後付け出来る余地がある映画は中身が無くても価値があると私は思いますよ(ふふふ

 

ウミウシ・ペーパーウェイトを好ましく思い、身近に置き続ける感覚もまた、私の中のマーヴェリックが反応しているようなものだなと思います。ちゃんと暮らしの端々に、わたしはあるなと思ったりして。

 

『意味も価値も、私の中にしかないのかもな』と、謎かけのようなことを思いながら、お店番。

 

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マーベリックは、大人としてはだらしないところもあって、アイスマンと比べたらダメおやじ系なのかもしれない。でも、大勢の人から認められ大将でもあったアイスマンはマーベリックを信頼し、友として大切に思う。アイスマンの言葉の中に、マーベリックをいたわり、勇気づけ、お前も幸せになれよと、大好き大好きと言っているように聞こえて、死期が近いとうかがわせる設定なもので、あそこで1回泣いちゃった(笑

マーベリックは愛すべき人なのに、不器用で損をしてきたのがうかがえます。

いい大人が社会性低いってほめられたことではありませんよね。

仕事仲間は苦々しく思っていた人も多かったことでしょう(笑