摩利と慎吾⑩

別な言葉で言われて、自分が感じていたのはそうだよな、と納得できたお話。

Sさんと読後感想を交換。
Sさんも、セリフやト書きが多くて、なかなか読み進められなかったとのこと(笑
スッと心に入って来ない感覚があったそうで、何で?どうして?がつきまとったとか(同志よw

 

「これが描かれた頃は割と悲劇的な話やハッピーエンド以外の終わり方が、ドラマチックで刺激的だなと評価された頃じゃない?」

 

「女性でもないのに、社会の枠組み的に結婚しなければならないってレールが強すぎじゃない?主人公2人とも男性なのに、結婚しない、子供がいない選択肢が存在しない感じが不自然だし、周りがどう思うか、周りにどう思われるかが凄い縛りになってる感じがした」

 

「女性側も結婚と出産が幸せのルート認識強い、それしかないみたいに見える」

 

「恋愛と結婚が別物みたいよね。好きじゃなくても結婚するのは明治~昭和初期の時代価値として分かるんだけど・・・」

Sさん、あれやこれやと語った後、斜め袈裟懸けな発言。

「作者が偏ってるんだと思う」

「この作者の考える幸せの種類が少なすぎると感じた」


過去の価値観を現在の価値観で見てはいけないというのは分かるが、端々で何で?どうして?が湧いて来る。気付かないほどの小さな歪みが積み重ねられ、後に行くほどその歪みが見えるようになり、ある程度の大きさになった辺りで「なんか違う気がするけど、う~ん・・・」


木原敏江先生の価値観と設定時代とがいい具合に混ざっていて気付きにくいが、作者が感じている世間や他人感が透けてるんじゃないかというもの。そしてその像が、我々の見ている世間や他人と違うんだろうなと思ったそうです。

 

だから理解が出来ない。

でも理解しようとして読もうとするから疲れる。

分からないものは、ある。

YouTubeで「ベストの解があるというのは幻である」という動画がおすすめに上がってきまして、やだ引き寄せたみたいです。

こねくり回して何とか理解したい、解釈しようとする傾向のある私と違って、Sさんてストレートで気持ちいいなと思いました。前に「何で私と仲良くしてくれるの?」と聞かれたことがありますが、Sさんのストレートさが、私には真似できなくて、かつ眩しいからなんですよ(笑

ちなみに、Sさんは慎吾と同じ牡羊座。

私は摩利と同じ射手座。
2人が人間的にひかれ合うのは仕方なかったという辺りは、実体験でよく分かる。そこだけがよく分かる。

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追記:
今の方が、生き方は自由になったんだろうと思う。

幸せの種類が増えてるよね。

一生独身でも幸せに暮らしている人はいるし、それでいいと社会が認めてる。

子供がいなくても幸せな夫婦はいるし、それでいいと社会が認めている。

人の数だけ幸せの形も違うと、認められる社会になったんだよね。
そのぐらい、この70年ぐらいで日本の自由度が上がったということだよね。

みたいなことをSさんと話しました。

そして、その自由を知ってしまった後だと、時代背景と言われても理解と納得は別物で、なんか違うだろう?って思っちゃっている自分にも気付きました。人の心は、変化したら戻れないものなのかもしれませんね。異世界もので、転生した社会が中世程度のレベルというのがよくあるけれど、私が転生したら中世程度の階級社会で不自由だと、生きていけないかもな~と妄想。なろう系はファンタジーだからファンタジーとして楽しむで終わるのがいいということか(笑