使って見てこそ分かる品物の実力

男は顔じゃない、人は見かけじゃない。

そんなの分かっていますとも。

だけど、ビジュアルに左右されてしまうわたくし。

 

野菜がひん曲がってるのは気にならないの。

だってそれが本来の形だと思っているから。

 

猫や犬も、種類が違っても猫にしか見えないし、犬にしか見えません。

 

でも、飼い主には、その子が他の子とは違う、我が家の子だと識別出来てしまう。その他の子と「違う」と思う部分が、その子の「魅力」であり、「違い」が分かってしまうところが飼い主さんの「愛情」

 

その愛情は、一緒に過ごす時間を重ねたゆえに生じる心の結晶。

人の愛は、このように、育む時間も大切な要素。

 

大分の竹細工職人・渡辺文明さんから、頼んでいた箸が2種届きました。

渡辺さんは、ザルや籠など、編む細工物を作っている方で、箸は隙間にちょっと作っているだけ。

その箸を手に入れ、自分で使って

手触りと口当たりがあまりに滑らかなのに衝撃!

初めて使った時、食べてる最中に、渡辺さんに「クレームメール」

「この箸あまりに口に入れた感触が気持ちよくて、

何度も口に運んでしまうから食べ過ぎる!危ない!」
感動を伝えたくて送ったメールが、読み返したらクレームっぽいという、

そうとう私も動顛していたと思われ、後で笑いました。

お箸は、毎日使うもの。

こういうものこそ、日々の幸せに関与する力の強い、
素晴らしい暮らしの道具。
毎回、うん、いいなと思えたら、最高じゃないですか。

使ううちにどんどん心地よさに慣れて、

存在は空気のようになってしまうはず。

でも、外で他の箸を使った時に、

やっぱり渡辺さんの竹箸がいいなと思い起こすはず。そんな箸。

 

渡辺さんの箸の魅力は、こだわりの磨きと、

微妙に角を落とした四角の形状。

軽くてしなやか。麺も滑りません。

拭き漆のタイプは表面の滑らかさが格別で、玉のようです。

 

今回は、自分で使ってみた結果で、太いところで8mm角ぐらいのものを作ってもらいました。

 

他の材質ならもっと太くても良いかなと思うのですが、

竹は8mmぐらいがいいと思います。

いままでいくつか箸を扱って来た結果、

竹は8mmがいいみたいです。(当社比。ウフフ。

 

いま、自分が使う箸を持っている方ばかりで、

箸に困っている方はいないでしょうけれど、

「麺を食べても滑らない箸」が欲しいと思っている方がいたら、

こちらの箸を試して頂きたいなと思います。

 

大切な方にお箸や器を贈るのは

「食べることに苦労せず、健康で、長生きして欲しい」
という願いが込められているという日本的な暗黙の了解がございます。

モノには心が込められている訳です…