同窓生

仕事で使っているSNSですが、たまにプライベートで役に立ちます。Facebookで大学の友達が、ある個展へ出かけたという投稿をしておりまして、思わず目が釘付けになりました。

確か版画専攻だったはずの友達が、漆芸作家をやっていて、江古田からもほど近い雑司が谷で個展を開催中。漆が大好きなわたくし、目がキラッキラです。友達が撮影した画像に並ぶ作品は、写りが小さいながらとても美しく見えて仕方が無い。

橋爪玲子さん/漆工房 橋爪

開催期間は店の営業日と重なりますが、大学卒業以来の友人との再会が楽しみで、驚くかな~なんて思いつつで、最終日にあてて臨時休業して出かけました。

個人商店、たまにはこんな風に好きなように時間を融通出来ることがいいところのはずなのに、日銭稼ぎをしていると、休むことに躊躇があり、なかなか臨時休業のカードが切れません。今回は「再会」「漆芸」が引き金となり、思い切ることが出来ました。

会場のギャラリーの入口に立ったら、ご本人がたまたま正面にいて、二人で「あ」

在学中と変わりない姿がそこにあり、向こうもすぐ分かってくれたのが嬉しくて気分高揚です。

作品を…と言いながら、ついつい話し込んで、結局最後まで居残ってしまいました。私達、在学中は専攻も違うから、つるむことは無かったのですが、この年になるともうそんなのどうでも良くなってしまうものです。ただあの時間を同じ場所で過ごしたことだけでオールオッケーな安心感。

 

後から来場された方やファンの方とのやり取りを眺めるのも、他人事ながらわくわく。

その辺りでようやく落ち着いて作品群を眺めるゆとりが出てきました。友人の作品は色とりどりの漆。ペールトーンなのに澄んだニュアンスカラーで超モダン。

 

アクセサリーはほとんど身につけないわたくし。

どうしても欲しくなりまして、本気で物色。

自分の好きなものが自分に似合うとも限らないと知っているので、片っ端から身につけてみたところ、赤がいいなと思っていたのに、一番似合うのは画像の黒にプラチナ粉を蒔いたネックレスでした。柄は波紋をイメージしたパターンと聞いて、運命を感じてしまいました。

わたくし、超晴れ女なのですが、特別な日にはさっと雨が降って止むなどよくあるので、水にまつわるものは験がいいと信じておりまして、水に関するものが手元に来るのはお守りに匹敵するような気分なのです。

1年に1回ペースで個展を開いていると聞いて、来年また会えるなと、明るい気持ちでお別れ。

帰り道、蒔絵なんて一日で出来るようになる訳じゃないし、今まで試行錯誤もどれだけあったかなと思えば、美しい蒔絵は、美しければ美しいほど、彼女の努力の成果なんだよなとしみじみ。

しわしわのおばあちゃんになっても、このネックレスが似合う自分でいたいなと思ったりして。

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後日談ですが、友人、地元へ戻る前に少し東京滞在していく予定だったようで、ひょこっと店に顔を出してくれまして、私の小さい店を見てもらう事が出来て良かったです。私も頑張っているよと見せることが出来ました。