男の子の母の日

母の日を過ぎたある日のお客様。
小学生中学年男子。何やらじっくり検討している面持ち。

正直、うちの店はターゲットが40代50代女性なので、子どもが見ても「これのどこがいいのかな?」と分からないものも多々あるのではないのかな?と思うもので、すぐに出ていってしまうに違いないと見ておりました。

お隣の西村文具では、低価格でもちょっとひねりの効いた、雑貨店なみのグッズ販売をしております。お友達の誕生日プレゼントを探しているなら、西村文具が適当なんだろうに、何故うちに来たのだろう?と不思議に思っておりました。

他の来店者対応でしばし目が離れておりましたが、気付けばまだいる件の男子。

よく見ると、真剣に吟味中の様子。

ここに至り「どなたへの贈り物をお探しなの?」と声を掛けてみました。

知らない大人に話しかけられても、おどおどすることなく「お母さんに、プレゼントを探していて」とハッキリした口調。彼が感じているお母様の好みをヒアリングして、予算を聞いて、候補になりそうなものをご紹介。

彼が、一生懸命探している様子を、私以外にもう一人、見つめていた方がおりまして、それはたまたま居合わせたお客様なのですが、うちの店に似つかわしくない年頃の男子が、すごい集中力で商品を眺めて手に取って悩んでいるので、気に掛かったようなのですよね。

どうやら選んだ様子を認めたら「きっと、お母さんも喜ぶわよ。私もそれ、いいと思ってたの」と声を掛けてくれたのです。男子、あの時に、パーッと笑顔が輝きました。ホッとしたのでしょうね。自信をもらったのだと思います。(そのお客様が、見知らぬ男の子へ向けた愛情も、優しくて素敵☆

アイテムが決まって、今度は種類を真剣に吟味。
男の子の前向きな集中力の散じるエネルギーは、何とも心地いい強さ。
お会計を済ませて出ていく顔が晴れやかで、良かったなと思いました。

件のお客様、男子を見送りながら「もしも自分が母親だとしたら、息子があそこまで真剣に迷って決めたと知ったなら、感動して泣くかも。」と笑顔。

ほんとにね。その気持、分かります。
そのくらい、彼は一生懸命に、母親が喜んでくれそうなものを探していたもの。

子どもは、母親のことをとても信頼しているし、愛しています。

お店をやっていて、10代20代30代40代50代60代と、幅広い年代の娘さんと息子さんの贈り物に関わるようになり、子どもはいくつになっても、母親をとてもとても愛しているんだなと感じる場面の多いこと。

 

深い愛を感じて、訳もなく泣きたくなる感動タイムも結構あるのです。(多分、お客様と近いお商売をしている、個人商店の役得ですね。


男子が選んだお品のひとつは、フェイスパック。

 

「これはね、使うと肌がしっとりして、ちょっとだけなんだけど、美人になれる気がするのよ」と私が言うのをじっと聞いてくれた男子。

 

彼は、母親の笑顔が大好きなんでしょう。だから、選んだのかなと予想。

 

正直、ユニーク商品なので、パックシートはおかしな柄なのですが、変な柄のパックシートを貼り付けたお母さんを見たら、家族が笑って、みんなで笑って、楽しい気分でひと時過ごせそうだなと思ってくれたと思います。

明るくて楽しい存在=大好き=お母さんと認識されている男子のお母様、羨ましいですよね~

「あんな子が欲しい」と笑うお客様と、ニッコリです。

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お遊びの商品も、たまには仕入れてみるものだなと思いました。