交わす言葉に愛を込めて

店にいるといろんな営業がやってきます。

こちらの都合お構いなしの営業も多いので、イラッとすることも多々あります。


そんな時、感情に任せることなく、お断りすることを心掛けております。日によってはご機嫌斜めな時もあり。意地悪な店主が出現する日もあります。


いずれにせよ、飛び込みの営業さんとは一期一会、二度と会うことのない人と思っておりました。今日は、そんな営業さんのひとりが、お礼の挨拶にやってきまして、わたくし恐縮。


その方は、初めての訪問営業職で、新米のノルマは100軒/日(ちょっと凄いノルマ)来る日も来る日も断られ、精神的にも肉体的にも限界だったある日、私の店に飛び込んだわけです。


私は断ったそうなのですが、彼が出て行く時に「頑張って!」と声を掛けたのだとか。


彼にとって、気持ちが落ちている最中に掛けられた言葉が温かく、

もうちょっとだけ頑張ってみようと続けてきたとか。


ようやく認められ、希望していた英国駐在が決まり、数年は会えなくなる訳だし、このタイミングでと、お礼を伝えに来てくれたというのです。

 

もらった名刺には「1番」とメモ書きがしてありました。彼が最初に肩書付きの名刺をもらった時に、ケース内の名刺に通し番号を手書きしたそうです。その時の「1番」を私にと取っておいたというのです。

 

そう言われてもいきなりは信じ難く、その時はポカーンとしていたのですが、彼の近況報告を聞いているうちに、ありがたくて感動。

 

彼に対してしたことはほんのささやかなこと。「たったそれだけ」のことで誰かが救われたり笑顔になったり、前に進んだり。


私は忘れていたけれど、忘れるほど日常的にやって来たことを、この先も続けていいのだと、私の神様が、彼の姿を借りて教えに来たみたい。

 

たまにご機嫌斜めもありますが、交わす言葉に愛を込めて、私も頑張ろうと思った閉店後のひととき(5年後、彼との再会が楽しみ