【本日のひと品】天然樟脳・日向のかおり

この白い粉、何だと思います?

衣がえの必需品といえば防虫剤。
環では天然樟脳「日向のかおり」を取り扱っております。

 

わざわざ【天然】と枕詞がつく訳は、樟脳が防虫剤の代名詞のように使われる事が多いので、ナフタリンやピレスロイド、パラジクロロベンゼンといった化学薬品系との区別をしていただきたいから。

 

「樟脳臭い」という言葉がありますが、樟脳はユーカリに似たようなスースーする清涼感のある香りがします。「臭い」イメージは皆無です。では一体どこから「樟脳臭い」というイメージが作られたのかというと、ナフタリンやパラジクロロベンゼン系の防虫剤のきつい臭いのせい。

ナフタリンやパラジクロロベンゼン系の防虫剤は衣類につくと洗濯しない限りずっと付着して臭いが残り続けます。一方、天然樟脳はどうかというと、しばらくすると樟脳の成分が飛んでしまいますから、においが残ることはありません。

樟脳の防虫効果は、このスースーする香り成分。衣類を食べる虫は、樟脳のにおいが大嫌いなので、樟脳のかおりを察知すると逃げます。においが充満していることが防虫の効果を高めますので、昔は桐ダンスが活躍した訳です。

 

樟脳は、防虫剤なので虫は殺しません。ナフタリンなどの化学薬品は、殺虫剤なので虫が死にます。衣類の上で死んだ虫から出た体液で衣類にシミがつくこともあります。においがしないピレスロイド系をありがたがる方は、殺虫成分の濃度が臭いで判別できませんから、過敏症の方など要注意。(おどかしてますね、ごめんなさい)

 

樟脳は、薬にも使われています。虎バームやシップ剤などスースー系に入っています。ただ、量と用途を選んでのことで、完全無害無毒な成分ではありませんので誤解なきよう。あと、面白いところではセルロイドの材料だったそうです。燃えやすいセルロイドは、難燃性樹脂が開発されたら廃れましたが、ひと頃は、外貨を稼ぐために日本の輸出品目だったとか。豆知識。

樟脳は、クスノキ(樟)をチップにしてウィスキーのように蒸溜し、抽出されたものから水分と油分を除いたもの。脱水と脱脂は何度か繰り返すそうで、更に乾燥させて完成します。樹が育つのにも時間と手間がかかりますし、樟脳を取り出すのも時間と手間が掛かります。

天然樟脳を作っているところは、今では、福岡(内藤樟脳)と宮崎・日向市の2ヶ所しかありません。2011年、前述の2ヶ所から技術共有された屋久島でも生産が始まったとか。いずれにしても、生産量は少ないのです。

この樟脳、環の店頭で香りをお試しいただけます。
環のお客様は防虫剤としてよりも芳香剤として使用している方が多いようです。かく言う私も、押入れの隅や台所の下の戸棚に樟脳を少し置いています。カビ臭いような湿気の臭いが気になるところなので、開け閉めするたびふんわりスースー。


5g
入り小袋が5包入ったもの ¥1,050

150g入り ¥2,520

※この商品の通販はこちら