先日見に行った映画、『きのう何食べた?』で思い出したのですが…
映画の登場人物「ジルベール」、30代ゲイ。
パートナーの小日向氏を常に理不尽に振り回すのですが、小日向氏はそのわがままを迷惑と思うどころか、それさえも他人に渡したくないので自分が引き受けることを喜びとしているような凸凹コンビ。
テレビドラマの小日向さんは、自分のパートナーをシロさんに「ジルベールのような美少年」「僕にとってのジルベール」と説明。
私はジルベールと聞けば『風と木の詩』が浮かぶので、すっごい期待したら、出てきたジルベールは身なりに構わず感じ悪いわがまま放題。万人には理解不能のジルベールだからこそ、なるほど「僕にとってのジルベール」
風木のジルベールは、誰もが見とれてしまう、神秘的で美しい美少年。万人が認める美少年。象徴。
中二心が最初に出会った美少年ですから、ジルベールという響きは美少年の「概念」を表す名前でした(遠い目
それが、何十年も経って、いつの間にやら全体の「美少年の概念」として浸透していることに驚きです。
それで思い出したのですが、日本の片田舎の高校生が日本の片田舎の大学生となり、大都会東京で就職して、世界にも目が向くようになった頃、衝撃的な事実に行き当たりました。世の中には、美しさとは無縁なおじさんジルベールが結構、たくさん、普通にいると知ってしまったわたくし(大笑(きっかけは映画俳優や歌手だったかと思います。
花は、その名を聞いて思い浮かぶ姿は美しいものばかり。
胡蝶蘭と聞けば、その美しい姿を思い浮かべられるのに、人の名前は、ジルベールと聞いてももはや千差万別(概念の階層が違うから仕方ない)
でも「たった1人のジルベール」を知っていた頃は、ジルベールは美しく魅力的な存在でした。
そういえば、「お母さん」「おばちゃん」みたいな一般名称で呼んでいても、その人にとっては「たった1人のジルベール」みたいな存在ってのもあるな~…と思い浮かぶ。
誰もが誰かの「たった1人のジルベール」なのかも知れませんね。
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