10年目のリセット

開業してから10年目の年。
開業当初は、10年も続けられたら、周年記念のイベントを大々的にやりたいなと考えていたのに、コロナでそれどころではない日々。

 

忘れていたのですが、10年目ということは、ひとめぐりしてゼロからのスタートのタイミング。

 

これは開業前にインタビューした先輩経営者のみなさんが言っていた言葉。

 

「バブルの頃までは、1年もてば大丈夫と言われていたが、今は3年5年経っても軌道にのれるか怪しい」全くその通り。いまだに運転資金と称した借金が増えこそすれ、減らず(苦笑 

「だから最低でも1年は無収入でも食べていけるようじゃないと続けるの苦しいよ」1年どころか3年分必要だと言った方もいました。嘘ではなかったと今は思います。

「借金も財産のうち。返せない人に貸す人はいないからね」

 

今ならその意味も分かります。借金が怖いのは今も変わらずですけど、自分の返済できるラインが経験値で明確化出来ているので、その範囲内なら怖がらず借りるようになりました。つまり、その辺りが見える程度に経営が安定してきたということで、思ったより規模が小さくてびっくりもしますが、10年近く頑張った結果として受け止めています。

そして、忘れていたんだけど、

「10年でお客様は入れ替わる」

 

コロナのせいで、今まで定期的に来てくださっていた高齢者が劇的に減り、その他の年代も来店頻度も落ちており、今までのお客様が離れてしまったような気がして、一時落ち込みました。

そんな折に、個人商店をやっている友達が「10年も経てば街も人が入れ替わる」「年寄りはいつか(人生を)卒業する」というのを聞いて、10年で入れ替わる説を思い出しました。

 

コロナの影響がなくても、起こっていただろう可能性。

そこに気が付けたから気持ちが軽くなりまして、何が悪いんだろうとぐるぐる思い悩むことを止めて、またイチから営業がんばる方が現実的なので、やる事はこれまでと同じ、実直にやるだけだしなと、気持ちの切り替えが出来ました。

 

江古田も、新しく開業するお店が増えてきております。

江古田ゆうゆうロードでも、開店に向けて工事中のテナントがいくつかありますし、江古田全体でみたら、練馬総合病院の通りなんか賑やかで、飲み屋が複数店開業しています。夜の飲食店への制限がこんなに続いているけれど、出店する強者が結構いることに驚きます。

私だって東日本大震災の年で、日本の経済は先が見えないと言われていた時でも、『じゃあいつならいいの?』『明日どうなるか分からない事は震災が見せてくれた』と起業したことを思い出すと、私も強者だったな(笑

 

強者らしく、一からやり直せるなら、前にやった失敗を糧に、もうちょっと上手にやっていかなくちゃな。と思います。