長引く痛みの原因は、血管が9割

日によって、右腕が肩より上に上がらない、痛む時があります。これが世に言う「五十肩」かなと思って、静かに落ち込みました。

 

死ぬまで付き合う痛みになるのだろうかと思ったら、酷い時には自分で手当て出来るイメージの何かがあればいいなと検索して見つけたこちら、奥野祐次著「長引く痛みの原因は、血管が9割」

 

著者はがん治療が専門で、カテーテル治療のプロフェッショナル。動脈を通して、患部の近くへカテーテルというチューブを挿入し、そこから患部めがけて抗がん剤を投与。少ない薬剤で効果を上げる治療をしてきた方。

治療の鍵が血管となる分野なので、血管周りの異常に気付き、大学院に入り研究した結果、分かったことを分かりやすく書いている本。

炎症部位に異常な血管、細かくて数も多いモヤモヤした蜘蛛の巣状の血管が出来る→炎症細胞への栄養の供給源になってしまう→その血管に並走するように神経が出来る→血流で神経線維が刺激され痛む→モヤモヤ血管のせいで血流が不足し低酸素になる部位が出来る→不具合、痛みが取れないで継続。健康だと出来るべくもないところにも、モヤモヤ血管は出来る→神経線維が走る→血流で痛む、こともあるそうです。

事例を画像とともに紹介しているので、見えない体内でこんな風な変化が起こっていたんだなと分かるだけでも相当面白い内容。

レントゲンやMRIでは血管や血流は写せないので、五十肩や膝痛で整形外科で検査しても分からない事が多い→治療が効かず、痛みが長引く→〇〇さん、お年頃だし、完治はしないですよ、なんて言われてこちらも納得、というあるあるサイクルが浮かびました。

 

モヤモヤ血管は、40代50代で急増傾向にあるそうで、四十肩、五十肩の名称は伊達ではなかったようです!

 

若い頃からの体の使い方からくる、姿勢の悪さや負担が積み重なり、それが吹き出してくるのが40代50代。段々と、体の修復が衰えて来る時期ということなのでしょうか。

無理がきかないと自覚して、いっそう自分の体を労りながら酷使していかないとな、個人商店(笑

モヤモヤ血管があるところは、圧痛がするので、自分でも触って確認が出来るものもあるとか。体の部位ごとに、事例紹介があり、これはとても参考になりました。私が過去に経験した長引く痛みの部位にいくつか合致している事例もあり、今はきれいサッパリ収まっているので、当時の痛みの原因は、もしかするとモヤモヤ血管だったのかもなと思っております。

 

(この場合、もう痛みは無い→納得できると心が安心するので、ほんとじゃなくてもいいの、いいの)

 

一番の改善策は、体の使い方、歪んだり負担をかける使い方を改善すること(中々これが出来てないから痛む人は多い

減量、運動、ストレッチなど当たり前の事が挙げられていて、確かにそうだよなと思ったし、著者が普通の人なら出来ることで提案してくれているのも感じ取れ、良書だなと思いました。

 

あと、脳が痛みを装飾するという話題が興味深かったです。

気は心というか、治ると思えない人は治らない、みたいな。

 

『用手圧迫』でモヤモヤ血管が消える事があるという話題→知らず肩が凝れば指圧している人が多いと思いますが、体のサインに従って自分で治そうと動いたと解釈もできます。

自分で日常手当をしながら健康に生きたい方なら、この本は一読の価値ありだと思いました。