令和のお雛様とは

春の先取り、お雛様。

 

東京にいると、繁華街のディスプレイは常に季節先取りなもので、節句前に見飽きてお腹いっぱいになりますよね(苦笑

 

いきなり横道へそれますが、

私が子供の頃は、ひと月前に陳列が普通だったそうです。20年前ぐらいから、2ヶ月前陳列が普通になったと聞いたことがあります。

 

私の小さい頃は、まだ品物が溢れかえっているとは言えなかったから、選ぶことが簡単だったのかな、と思います。

 

日本がお金持ちになり、大衆ニーズから個人ニーズへと価値が細分化され、どこがどう違うのか探さないと分からないほど似たような商品が増え、選ぶのに時間が掛かるようになったから、選ぶ時間のために、2ヶ月前になったのかもしれませんね。

 

売り手側の視点で考えると、季節商品は短い時間でたくさん売らないと儲けられないところから、販売期間を長くすることで販売機会を増やす作戦だったのかな(黒笑

 

今の日本は不況が日常化。小手先の華やかさや枝葉の違いではなく、物事の本質に近いシンプルさを選ぶようになってきた気がしております。

 

桃の節句は、女の子が生まれたら「この子が健やかに育ち、優しく美しい娘になり、幸せな結婚、幸せな家庭を築けますように」と願う節句。

 

当店がおすすめするお雛様は、小さくて、素朴なお雛様。愛らしいお雛様。

 

豪華というより素朴、高価でもありません。

人の幸せはそれほど複雑でもなくて、安心して楽しんで過ごせる時間と、それを共有する相手がいることなんだよと、表しているようなお雛様。