萎える一言

この暑さの中、ふらりとやってくる初めての方というのは、半分涼みに来たのだと思って、接客もほどほどで静かに様子見が正しいと思っております。

 

当店、商店街の通りのちょうど中間地点なので、江古田駅から新桜台駅へ乗り継ぎ移動する方の暑さ対策地点という自覚あり。

 

 

飲食店だとこうはいきません。

入れば必ず何かを食べなくてはいけないという、暗黙の絶対ルールがありますからね。

 

 

いいな~、飲食店(黒笑 ふふふ

 

 

偶然入った方が、思いがけず楽しいなと感じてくださって、お買い物してくれるのはこちらとしても有り難い事。

 

だけど、たまに「これいいな~でもちょっと高い。セールやらないんですか?」という流れの話をされる時があって、時期的なこともあるし、セール前提なんだな~…と、萎えて力ない笑顔になる時があります。

 

初めての方で積極的な方の中には「こんなのあるといいのに、仕入れてくれませんか?」と言う方も多め。

 

開業当初は、これを「顧客ニーズ」と誤解して仕入れては、その方は二度とやって来ないという現実にがっくりしたこと数知れず。


起業本なんかに書かれている「見込み客」って、昔の私も誤解して読んでおりましたが、本当に買ってくれる人であって、買うかもしれない=よく分からない人のことではないのですよね。だから、リクエスト=ニーズと捉えるのは、誤認。今なら分かります。

 

 

江古田は普段来てくれる近隣住民の方に支えられている商業エリア。
不特定多数を呼び込む百貨店や繁華街とは成り立ちが違うのです。

 


事業規模も全然違いますから、セール=割引=利益率を落として販売することが、命取りになるぐらい零細なお店が多いと思います(特に飲食店など生ものを素材として扱う業種)百貨店や大手と同じこと=関係性の希薄な方にも、一律で割引やサービスを望まれても、残念ながら出来ません。

 

 

セールなんてやらない店が多いけれど、その代り、顔馴染みのお客様には、おまけしたり、値引きしたり、景品つけたり、時には人脈紹介したり、お裾分けもします。頼まれれば、お葬式のお手伝いに行くお店の方もいます。顔の見える生身のやり取りが商店街の身上。

 

商店街は、お客様をいかに「えこひいき」するかがサービスなんです。

 

 

だから、初めての方から、セールはいつ?なんて言葉を聞くたびに、失望させちゃうなーと思いつつ「うちはセールはいたしません」とお伝えします。

 


「セールが出来ません」とは言いたくないので、せめてもの意地かな(苦笑

言ったら、萎えるもの。。。

 

こんなことぐらいで萎えることが無いお店になるべく、力をつけていきたいなと思った夏の午後。