【残酷な神が支配する/萩尾望都】 1

この漫画は、重い、暗い、怖い、苦しい、酷い、酷い、酷い。

ひとまず3巻まで借りて読んだのですが、

余りに救いようが無いストーリー展開に、

読まなきゃ良かったと鬱々。

萩尾望都さんの描く「親子のどうしようもない関係性」

イグアナの娘、メッシュ、他にも散見。

現実はこんなものなのかもしれないなと

段々と壊れていく主人公の様子が、

でも淡々として見えるし、
登場人物はそれぞれ関わっているようで、

自分の心しか追っかけてない感じもするし、

でもそれが普通なんだろうなと思ったりして。

 

作られたお話だし、

私の周りでは起こりえない出来事だと思っている。

でも、ちっとも安心して読めない。

私にとっては空想と思いたいのに

私の目の前の現実よりも強烈な印象で迫る。

私の生きている世界は、

私が幸せを望むから、

誰かと理解しあい、共感し合い、

笑顔で暮らしたいと望むから、幸せな展開。

 

もちろん、悩みや迷い、不都合な現実もある。

あるけれど、概ね幸せ。

つまり、私が望む現実を見ているから。

 

でも、起こる出来事はこちらの思惑と無関係だから

受け入れがたいことも起こるし、折り合いつけつつ、

それでも幸せな現実を望んで生きていく人が多いはず。

 

今のところ、そのレベルを超越して、

酷い現実に晒され続ける主人公。

こんなに苦しい場面を、追いつめられて行く場面を、

繰り返し繰り返し描く必要はあるのだろうかと

そう思うんだけど、

だからこそ私にとっては、

この漫画はリアル過ぎて怖いと感じているんだろうな。

 

救いはほとんど無いという評判が多いし、

何を描きたかったか分からないという評判も多い。

でも、リアルな人生は、そういう方が多いかもなと思う。

正義の味方が現れて、勧善懲悪、すっきり終わるなんてまれ。

前向きに生きていれば成功者になれる訳でもない。

現実は思い通りにならないことが多い。

だけど、見たい幸せをみて生きている私みたいなのは多いはず。

どんな折り合いのつけ方するのか、最後まで一応読まないと

気持ちが悪いまんまで、心の傷になりそうな漫画。


10冊全部通しで読めば、

少しは気鬱を逃れられるともありました。

残念、図書館から借りているから細切れ。

 

この連載をオンタイムで読んでいた読者は

先が見えないまま最後まで付き合うなんて、

精神的に大丈夫だったのかな?と余計な心配。