小皿の値段はなぜ高い?

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題して「小皿の値段が何故高い?」

【小皿1】
たまにお客様から聞かれることなのですが、

工芸品の値段のつけ方はよく分からないの、

ということ。高名な作家や職人さんが作ると高いというのは

分かっているものの、何故これとこれが同じ値段なのか、

または価格差がないのか?と聞かれることがあります。

店主も、若い頃はそう思ってました。

 

【小皿2】

もちろん、高名な作家や職人の作るものは、

実用の他に美術品や芸術品としての価値が加わってくるので、

個人が査定出来るような値段の範疇を越えるため、

分からないのは当然で、これは多分、

売りたくて値をつける人ごとに違ってくるから

分からなくて当然だと思います。

 

【小皿3】

実用向きのもので、例えばお皿を作るとなると、

工業製品に慣れてしまっている私達は、

材料を使う量が少ないのだからと、

比率で安さを思い描いてしまいがち。

大量生産のものはそれでもいいけれど

手工芸は同じ様に見えて1点ものに近いです。

 

【小皿4】

材料の話をすると、小さいものを作るために、

大きな材料を削り出す場合は、

結局大きなものと同じ材料を使う分、

完成品のサイズ比率で値段をつけるなんてことにはなりません。

作る手間も、サイズでは変わらない範疇というものがあります。

この辺り、手作りする方なら意味が分かるはず。

 

【小皿5】

以前、高田耕造商店の息子君に聞いた百貨店の話なのですが、

高田耕造商店のたわしは大小でもあまり価格が変わりません。

それを見た目通りに価格差をつけろと担当から言われ、

難儀していたら社長さんが

「靴と一緒やと思え。欲しい人にはその大きさが大事なんやと思う」

と鶴の一声。

 

【小皿6】

小さい靴は、履けない=買う価値がないから安くても

買わないものです。それと同じだと考えたら、

欲しい方の仕様に沿うものなら、買う立場の人にとって、

他人から見た大小は実は関係無いのですよね。

 

【小皿7】

つまり、欲しくない人ほど「何故この小さいのがこの値段で、

こっちの大きいのと変わらないの?」と聞く傾向がありまして、

この言葉から、使った事ない人だな、作り方や材料を知らないのね、

自分の手でモノづくりしていない人だなとか、いろいろ分かるのですよね。

 

【小皿8】

工芸品は、使ってみて、それもしばらく使ってみて、

「あ、やっぱりこういうところがいいな」と

じわ~っとやって来る良さが多くて、

使った途端に問題解決!という便利グッズではございません。

だから余計に分かりにくいのですよね。

でも昔から生き残ってるモノですからそこに何かがあるはず。

 

【小皿9】

工芸品はだかその値段でも欲しいと思えるものを買って、

まずは経験をしてみて下さい。

使ってみて、もっとこうだといいと思えば、

作ってもらえるのが手工芸のいいところ。

気に入れば、丁寧に扱うことで、結果、一生ものになります。



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