秋のまどろみ

この時期になると、布団の中でぼやぼやとすることが、一番の贅沢。


特に朝。

起きているのか寝ているのか分からない様子で、二度寝してしまって結局午前中が潰れるのなんて、最高に贅沢な気分になります。


私は結構まめに寝具類を洗う方だと思います。

寝る時は裸族なもので、肌に触れる感触が変わると、洗って陽に干したくなるのです。


私が寝る時に裸族になったのは、確か41才。


(変なカミングアウトと思わないで下さいね。読み進めると、おお、そういうことかと納得はしてもらえるはず。)


当時の同僚女性は、世間一般の流行みたいな健康志向とは一線を画した方で、その方から、マクロビを始め、存在は知っていたけれどあまり気にしたことが無かった知識を教えてもらいました。


その中で、自分の体を撫でさする健康法を知り、自分の肌を撫でることのリラックス効果に目覚めてしまったのです。


リンパに沿って、あるいは、痛いところを撫でさする。触れて気持ちいいなと思えば、撫でさする。自分の手の体温を温かいなと感じながら、手当てする感覚。


サラリーマンは、通勤電車に乗ると、隣と触れ合わないように立ち位置に気をつけますよね。大人になると、人の体に触れることは失礼だし、触られることは嫌なことになる模様。


女友達と温泉へ行ったって、互いの肌がくっつく瞬間なんて、ございませんよね。ほんと、大人になると、自分しか触れない肌になってくるのです。


私は一人暮らしですが、家族と暮らしてたって、背中を掻いてもらえないお父さんもいるそうですから、必ずしも、一人で暮らしているせいでも無いのです。大人同士の肌のふれあいが減っているんだなと、私は発見した気分になりました。


猫を撫でると、猫も気持ちよさそうに目を細めるではありませんか。人間も、一緒なのだよなと思いました。誰かの手で、撫でられることで感じる安心感や心地よさは絶対あるのです。


子どもの時は、親や親戚が、抱っこしたり撫でてくれたり、たまにはゲンコツもあり、ふれあう体温で愛の交換をしていたように感じます。猿のグルーミングみたいなのが、人間にも大事なんですよ、きっと。


一人暮らしの私には、私しかいないという物理的な事情もあり、自分の手で撫でさすりながらそんなことを思いつつ、風呂あがりのひと時は体を撫でさするタイム。そうして、今まで触って知っているようで気付いていなかった自分の体を、いたわるようになりました。


(その当時、自分の肌で一番嫌な感触はお尻でした。ざらざらして固いなと思っていましたが、撫でさするうちに柔らかくなってきたと思います。撫でると皮膚も応えてくれるのです。)


触覚は、全身どこにでもあるのだ。


今更ながらの気付きの末、大好きなタオルケット(16年もの、くったくたの手触り)を全身で感じてみようかと、裸族で寝てみたところ、予想以上に気持ちが良かったもので、それ以来、裸族です。


秋のうっすら寒い感じの気温。布団の中はホカホカと温かい温度差が出来始める頃、まどろむひと時の贅沢にうっとりするようになったのも、そのせいかと思っています。


裸族は好き好きですからアレですが、

撫でさする健康法、おすすめですよ。

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