時を味わう

「初めての、自分用の漆のお椀なんです」

先程、若い女性が黒い唐塗のお椀をお買上げ。

「これって、食洗機はダメですよね?電子レンジなら入れてもいいですか?」

おやおや、と思いますが、私だって最初は知らないことだらけで、それでも惹かれるものがあり、引きこまれて今に至ります。

店内には3000円以下で買える拭漆のお椀もある中で、数倍するお高い唐塗のお椀を選んだのは【美しさにひかれた】から。

きっかけが何であれ、若い方が、「これ素敵!いいな~、欲しい、欲しい!使ってみたい!」と漆(工芸品)を手に取ってくれることは、とてもうれしいこと。

しばし、取り扱いについて説明をしつつ、雑談。

工芸品の類は、使い続けるうちに、【その時間の経過とともに変化する魅力】が存在するもの。例えば、漆のお椀だと、見た目がつやつやと輝いてきますし、手触りや口当たりが柔らかく温かくなって参ります。

経年変化で使用感が良くなり、見た目の景色に味わいが深まったりするという、【時間】を含んだ品物なのです。

第1印象で良いなと思った後に、第2、第3の魅力がやって来る…素敵なお品物なのです。

私は、若い方に、これから生きる時間をたくさん持っている若い方にこそ、ぜひ漆や工芸品の【時間】を味わってもらいたいなと思っております。

お嫁入りした唐塗のお椀が、あのお客様の日常に、心地よさと愛着を添えてくれますように。

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