愛のシュプレヒコール

友人がが言っていたのですが、鈴虫が鳴くのはメスがいるから。メスはオスより後に成熟するそうで、オスはメスを待って、盛大に鳴き始める。

同時期にオスとメスが成熟したなら、鳴く必要性が減りますから、風流な秋の虫の音は味わえなかったかもしれません。外を埋め尽くしている虫の音、自然のたまもの、と思って聞いております。

この声は、メスを呼んでいる声。
ボクはここに居ますよ、と愛のシュプレヒコール。

人に置き換えるなら、
うざいほどの自己顕示なんだろうな・・・・と妄想。


ちなみに、メスはにおいが気に入らないオスが鳴いていると、蹴飛ばしたり邪魔するとか。オスだから誰でもいい訳じゃないってとこで、虫にも喜怒哀楽があるのではないかと思ってしまいます。

昆虫。言葉が通じないからと言って感情が無い訳ではなく「好き嫌い」という基準を持って生きているのかな。つまり、虫にも感情があるのかもしれません。そう思うと、非常に本能的な営みをしているとしても、虫とわたくしの命の差が曖昧に近づいていくように感じてしまいます。


ああ、素敵な声。
うるさくて、瑣末な悩みなんてどうでも良くなるほど。

耽溺せよ、虫の声。