いらない漆器、引き受けます

環は、店主の漆好きが出発点。
漆を扱う店をやりたくて始めた店です。

しかしながら、漆器はじゃんじゃん売れる商品ではありませんので、経営判断として専門店の形態はとらず、和雑貨店という形態で、一部漆器も扱っております。

開業以来、5年経った今も相も変わらず、漆器はじゃんじゃん売れる商品ではないです。自分が大好きな漆が、ほとんどの方の興味にのぼらない訳は、一体なんだろうか?と思い続けた結果、至った結論がございます。

 

この世から、消えて無くなるのは、あっという間という事実


それは、親が使っていないものは、子どもへも使わせることがありませんから、結果として2世代使わないとなると、3世代目には「自分の世界に存在しないもの」になる訳です。

着物がいい例で、祖母の時代は普段着だったはずの着物が、孫の代では自分で着れないどころか、買わないことが当たり前のアイテムになっております。

 

店主の大好きな漆は、幸いながら、食文化に「和食」というカテゴリーが残っているおかげで、まだお味噌汁はお椀で飲みますし、箸も使うでしょうから、急速に消え去るものではないだろうとふんでおります。

生産している現場からの声を聞けば、職人が高齢化、食べていけるほど儲からない仕事だったり、先行きの不安定感から跡継ぎがいない、など、どの業界でも耳にする問題が転がっており、大安心とも言い切れないのも分かっております。

 

伝えることが一番、そして、伝えるためにはもう一歩

 

小売店という立場で、多少なりとも力となることは出来ないのだろうかと考え続けた結果、やっぱり「漆はいいものだ」と伝えることに尽きるかなと思いました。

言葉にすることで伝えることはいくらでも出来るのですが、

正直、使わないと分からない部分が、漆の魅力の真髄。

例えば、軽さ。熱いものを入れても軽々と持てる断熱効果、ほんのりと熱が伝わり手先が感じる温かみ、使い続けると変化してくる手触りの滑らかさ。冷たいものは冷たいまま、結露も少ないのでテーブルの上がきれい。洗剤を使わなくても油汚れが落ちていく不思議さ、色が透けて明るくなってくる見た目の変化など。

使えばその差は誰にでも分かるものであり、難しい素材ではありません。ただ、その違いに気がつくためには、実際に使用して、時間を掛けて体感、感じていただくのが一番。

だから、言葉で伝えるところに加えて、

「使って体感してもらう」というところを、

私の店はやっていこうと思い至りました。

やっぱり値段も大切

もう1点。

やはり、新品は高くて手が出ないという方が圧倒的に多いです。

ならば、最初の漆器は、手頃な価格の古物からでもいいのではないかなと思いました。

誰かが大事に使ってきたものなら、見事なツヤで、手触り最高なはず。または、使っていくうちにこんな風に傷んでくるんだなと見えれば、気をつけて扱うことを学べるかと思います。


皆様のご自宅で、使わないまま奥深くへしまいこんでいる漆器がございましたら、ぜひお持ちいただけたらと思います。

申し訳ありませんが、買取は、基本いたしません。これは利益追求の事業ではなくて、漆という文化を、残していくための啓蒙活動として位置づけております。

漆器を引き受けた後に、手当が必要な場合は、当店が職人に依頼して、塗りなおしたり、加飾で手当したりする予定なので、その工賃を考えると、ひとつひとつを買い取っていては、次に使っていただく方への販売価格が、新品と同様か、それ以上になってしまうので、そこは避けたいと考えております。

これからの方のお勉強のために、使ってくれたらそれでいいと、主旨に賛同いただける方からの持ち込みを、お待ちしております。

いいことは、みんなで伝え合い、共有しよう!

親が伝えきれないものや、親が本来伝える事が好ましいことを、親と同世代の方が、血縁関係なくとも「分けて伝える」「分かち合う」流れを作ることは、今後ニーズが増えると思っております。

少子化が叫ばれ、各家族が主流の今の日本では、1家族に蓄積される様々な知見の量や質が乏しくなるのなら、補い合うようなコミュニティが必要かなと思います。これも一種の互助になるはずです。

※断捨離でセトモノこみで食器を処分したい方、漆器がひとつでも入っているなら、引き受けたいと思います。当店は、引き取りには行きませんので、お持ち下さい。事前にお電話をいただけますように、お願いいたします。

暮らしを美しむ小道具の店 環

東京都練馬区栄町36-7
03-6914-8050

 

古物商許可:佐藤多喜子 第305571208387号(東京都公安委員会)